団塊世代

移住促進事業が花ざかり(2)

■田舎暮らし希望者と受け入れ側のマッチング・システム

団塊世代の受け入れ準備を整える自治体と、田舎暮らしを希望する人たちのマッチング活動を全国規模で行っているのが、「NPO法人ふるさと回帰支援センター」だ。

同センターは、連合、全国農業協同組合連合会、経団連などが2002年に設立した組織。

「ふるさと回帰フェア」を開催し、各地の田舎暮らしに関する情報を提供したり、自治体と協力して田舎体験ツアーを実施したりしている。

理事長には立松和平氏、理事には見城美枝子氏、顧問には
菅原文太氏など著名人を並べて、アピールしている。

「ふるさと回帰支援センター」は、受け入れ側の自治体のコーディネーター養成研修も始めた。
自治体がこぞって同じような取り組みを始めると、ほかと違ったユニークな視点をどう打ち出すかという戦略が求められる。

また、地元出身者などに行ったアンケートに基づいて、「わが自治体にふさわしい受け入れ体制やプログラムはどんなものか」を企画する能力も必要になってくる。

そうした人材を育てようというものだ。
第1回の研修は今年1月27日に開催された。
自治体の関心は高く、25県51市町村から118名が参加した。

もう一つ、総務省自治行政局過疎対策室の「田舎体験と田舎ステイ」という取り組みもある。

こちらは、地元の人との交流から始まる「田舎体験プログラム」を多数用意する。

歴史・文化・芸能体験、伝統工芸・民芸作り体験、産業文化、芸術体験、スポーツ・アウトドアレクリエーションなど、その対象はさまざまだ。

最初から定住を目的とする農業や林業体験に抵抗がある人には、こちらの方が参加しやすいかもしれない。

■人材派遣業者と組む

少しずつではあるが、独自の取り組みを始める自治体も
現れ始めた。

岐阜県の「飛騨市田舎暮らし斡旋支援公社」は、定住者が空き家に住む場合に必要となる住宅改修費の2分の1、最高200万円までを補助する制度をつくった。

これは、5〜6年居住すれば返済金を半額に、10年住めば返却不要にするというありがたいシステムだ。

飛騨市内に住民票を移すこと、地域活動に参加することという条件があるが、これはそれほど問題ではないだろう。
体験用のモデル住宅も用意した。

青森県は、2006年から人材派遣業のパソナと共同で「あおもりツーリズム団塊ダッシュ事業」を展開する。
パソナが持つネットワークを活用し、都心の大企業に勤める団塊世代を中心とする層から、青森県への移住希望者を募るものだ。

農業に従事できるようにする手助けをするのはもちろん、今まで仕事で身につけた営業やマーケティング、海外でのビジネス体験を、青森県でも生かせるよう受け皿づくりも行う予定だ。

山形県は、新規就農情報メールマガジン「山形で農業してみっべ」を2004年6月から毎月1回、配信している。

新規就農者の奮闘ぶりや就農情報など、地元の生の情報が分かって面白い。山形県の新規就農者は、近年増加傾向にあるという。こうした地道な取り組みが功を奏しているのだろう。

■農地貸し出しで農業体験

都会暮らしに慣れた者には、今までの生活を一切捨てて地方に移住するという選択は、なかなか容易ではない。

「農作業には興味があるが、住み慣れた土地から離れたくない」と思う人や、「容易に田舎に溶け込めないのでは…」と不安に思う人が多いからだ。

こうした人たちをすくい取るため、都心に近い農地を近隣に
住む希望者に貸し出す取り組みも始まっている。

神奈川県では、荒れた農地を復元して都市住民に貸し出す「中高年ホームファーマー制度」が人気を呼んでいるという。

2003年から始めたもので、耕作する見込みのない耕作放棄地を
県が農家から借り受けて整備し、希望者に貸し出すという
制度だ。

市民農園と違うのは、専門家の指導のもと、100〜500平方メートルほどもある広い耕作地で農作業をできることだ。

これは市民農園の10倍に相当する。参加費は100平方メートル当たり年間5000円。

ただし、種や苗、肥料代などを含めると年間10〜20万円程度かかる。初年度参加者100人のうち25人が脱落したというから、生半可な気持ちで取り組めるものではないようだ。

by「団塊消費動向研究所」

続く

           
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