団塊世代

自立した生き方の支援策を(1)

前回は、団塊世代を対象とした、地方自治体による移住促進事業のあれこれを紹介した。

自治体が提供する至れり尽くせりの優遇措置は、確かに魅力的に見える。
しかし、それだけにひかれて団塊世代が移住してくるとは
思えない。

大事なことは、彼らが第2の人生で取り組む夢を実現できる場所か、彼女らが望む暮らし方ができる場所かどうかという点だ。

前回の記事に対して読者が寄せてくれたコメントに尽きる。

「いくら貰ってもそのスタイルでは働かないという人もいるだろう。リタイア者は、なにごとにも自由なのである。果たして自治体は対応できるだろうか」
■移住を、単なる“転職と引越”にしてはいけない

この原稿をまとめていたころ、テレビ東京が「ガイアの夜明け」という番組で「団塊さん いらっしゃい」(1月31日)を放送した。

サブタイトルは「大定年時代の人口争奪戦」。
筆者が考えていたのと同じようなテーマなので驚いた。

それほど、自治体におけるこの種の動きが、目立つと
いうことなのだろう。

この番組の中で、福島県泉崎村の取り組みが紹介された。
この村は、前村長が大規模に開発した土地がまったく売れず、
膨大な借金を抱えている。

そこで、苦肉の策として、都会の中高年世代を呼び込んで
住宅地として分譲するという策を打ち出した。

村長自ら地元企業に就職をあっせんしたり、3年間は首都圏への
通勤定期代を補助するというプログラムで注目を浴びている。

番組では、新たに55歳の移住者がやって来た。
土地を買い、家もすでに完成したのに、町長の紹介してくれた
地元企業への就職が決まらず、やきもきしたりする。

それでも、村の支援で、希望していた食品会社に就職がかない、移住はひとまず成功という内容だった。

見ているうちに次第に疑問が湧いてきた。
この村は移住者に何を期待しているのだろう。
また、移住者はこの村に何を求めているのだろう。

もちろん、村にとっては、土地が売れて、住民が増えて、税収が増えることは重要だ。

しかし、Uターンにせよ、Iターンにせよ、人口の数合わせだけでいいのだろうか。移住促進の目玉が再就職先の紹介というのも安易すぎる。

もともと地方には再就職可能な企業は少ないのだから、限界がある自治体も多い。
依頼心の強い人だけが集まることにもなりかねない。

一方、移住者は地元の企業に再就職できれば、満足した田舎暮らしができるのだろうか。
それでは単なる“転職と引越”ではないのか。

それまでの人生を、場所を変えて繰り返すだけかもしれない。

by「団塊消費動向研究所 」
続く

           
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