団塊世代

自立した生き方の支援策を(2)

■地域に貢献できる人材としての活用

そんなことを考えるうちにもう一つ 思い出したのが、テレビ朝日が土曜日の18:00から放送している「人生の楽園」という番組である。

この番組には、夢を実現させるために第2の人生を自ら創出する
中高年世代が毎回登場する。

例えば、「イチゴの力を借りて昔のような活気のある島にしたい」という思いを抱き、瀬戸内海の島に移住して農園を始めた60代の夫婦。

また、フィンランドで経験したクロスカントリーにはまった夫婦は、製薬会社を退職した後、フィンランドとよく似た風景の北海道の村に移って、クロスカントリーを満喫中といった具合だ。

そこには、新しい自身を輝かせようとする目標がある。その土地で暮らす意味と、自分がこだわるライフスタイルがある。第2の人生に取り組む自立した姿勢が見えるのだ。
以前、「団塊世代のための定年準備講座」の「田舎に帰ってこないか?」で、脱サラして東京から宮崎県に移り住み、農業を起業した杉山経昌さんを紹介した。

杉山さんの著書「農で起業する!」(築地書館)には、会社員時代の営業の経験が農業に大いに役立ったと書いてある。

得意分野を生かし、観光農園などの新しい手法の農業を
実践しているのだ。

移住するなら、個々の持つ能力や経験を基に、自分なりの夢をその地で実現することが理想だろう。

自治体も、そういう人が持ち込む新しい発想や手法を生かすことで、地域をどう活性化できるかを考えるのが大事なのではないのだろうか。

地域の変革にはよく「よそ者、ばか者、若者」が必要だといわれる。共通するのは、異なった発想とそれによる刺激である。

そういう意思ある人材に来てもらうには、そのためのプログラム作りが必要だ。

もっと地域性を生かした、バラエティに富んだ受け入れ策があっていい。

起業の支援策でもいいし、大学を活用したシニア世代の受け入れ策も考えられる。

読者が言うように「行政の発想は、すぐ優遇措置という結論を出しますが、『お金がかかっても住みたい』という動機付けを時間をかけて浸透させることが重要」なのである。

起業について言えば、今後は、自治体が実施している業務のアウトソーシングが進むことが予想される。

地方公務員が大量に定年退職することで住民サービスが手薄になり、質の低下を招くかもしれないからだ。

シニアが活躍するNPOや市民団体が、そうした状況を、効率よく
補えるかもしれない。

■妻というパートナーの活用

もう一つ、忘れてほしくないのは、妻の存在である。

女性たちも夫と同じく、今までの社会生活を通じて、多くの経験と力、意欲を持っている。自治体は、この女性たちの活用も視野に入れるべきだ。

田舎暮らしを希望するのは、実は男性が圧倒的に多い。

妻は、今住んでいる地域に友人や知人がいるので、知り合いのいない地域に移ることは好まない傾向がある。

しかし、夫の熱意に引き込まれて、しぶしぶながらもやってくる。ただ、女性の良いところは、次第に自分なりの居場所や仲間を見つけられること。

地域に溶け込むのが速いのだ。

最近、農村の女性たちが起業に励む姿が多く見られるようになった。地元産品の加工や販売で収入を上げる人が増えているという。

ここに都会暮らしの経験がある女性が加われば、都会のセンスやアイデアを盛り込んだ製品を企画することができるかもしれない。

都会からの客に受ける商品やサービスを提供することも
できるかもしれない。

女性の活用は、すでに多くの地域で実現している。

前述したテレビ番組「人生の楽園」には、そうした妻たちがたくさん登場する。妻の協力がなければ、田舎暮らしは無理だし、妻がつないでくれる仲間との交流も貴重だ。

自治体も、既婚の移住者一人を確保することは、「配偶者というもう一人の人材を確保すること」という認識を持って迎える必要がある。(完)
by「団塊消費動向研究所」

松本 すみ子(まつもと すみこ)

早稲田大学第一文学部東洋史学科卒業。IT業界で20数年、広報、販促、マーケティングを担当。

シニア世代の動向に注目し、シニアライフアドバイザー資格を取得。2000年、団塊/シニア世代の動向研究とライフスタイル提案、コンサルティング、執筆などを主要な事業とする有限会社アリアを設立。

           
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