団塊世代

団塊世代の力を地域に!(5)

■まちづくり参加への促進・支援策

団塊世代に「この仕事を担ってほしい」と、非常に分かりやすい協力依頼をしているのは東京都豊島区の「高齢者困りごと援助サービス」である。

豊島区は、5月から75歳以上のお年寄りを対象に、たとえば、電球や蛇口のパッキンの取替え、家具の移動、重い買い物など、ちょっとした困りごとに対応するサービスを始める。

このサービスの実施にあたっては、団塊世代に力を
貸してほしいと呼びかけている。

こうした具体的な活動は、座学で話を聞いているよりも、案外、身になるかもしれない。
体を動かすことができるし、生身の人間と接することができる。

セミナーなどで、初対面の相手とぎこちない会話を交わすよりは、実際の作業の中で仲間との会話が弾み、親しくなれる。地域の情報も自然と入ってくる。
このような活動は、どうしても福祉関係が多いのだが、教育関係には、こんな例もある。

三鷹市が行っている「スタディアドバイザーとコミュニティティーチャー」という仕組みだ(関連記事)。

これは、教室で先生のサポート役として、授業についていけない子どもに教えたり、質問に答えたりする活動である。

教育の現場でのリタイア人材活用の例としては、大阪市の「なにわっ子学びのサポーター」、名古屋市の「教育サポーターネットワーク」などもある。

地域での活動には楽しみもなければならない。世田谷区は、2007年12月から、中高年の地域での活動を促す手段として、首都圏で使える電車・バス共通カード「PASMO」を活用するユニークな取り組みを開始する。

ボランティアや講座に参加するとポイントがたまるのである。たまったポイントは区内の店舗での買い物や区の共通回数券、施設の利用券と交換できる。

商店街の活性化にも役立つ一石二鳥のアイデアだ。

■人材バンクでマッチングシステムの整備を

こうしたアイデアに基づくサービスを考えるときに必要なのは、どこにどんな人がいて、どんな能力や興味や特技を持っているかということ。

人生経験や興味、能力は、人それぞれ違う。

もう一つは、それを必要としている人が、どこに、いつ現れるかということ。

それらを把握するシステムが必要である。

埼玉県労働者福祉協議会は、50歳以上を対象にした「シニア人財バンク」を立ち上げ、登録した人に、ボランティアを求めている団体や個人を紹介・あっ旋する「シニア・ボランティアネット21」を、2007年4月1日からスタートした。

埼玉県も、団塊世代と地域ボランティアをつなぐ人材バンクの登録受付を2007年中に始めるという。

どこにどんな人材が転がっているか分からない。
また、団塊世代も、どこに自分を必要としている人がいるか、どこでなら、自分のやりたいことができるかを知りたがっている。

今後は、地域に貢献したいリタイア人材と、そういう人材を必要とするサービス提供側とを結びつけるマッチングシステムが重要になるだろう。(完)

by「団塊消費動向研究所」

松本 すみ子(まつもと すみこ)

早稲田大学第一文学部東洋史学科卒業。IT業界で20数年、広報、販促、マーケティングを担当。

シニア世代の動向に注目し、シニアライフアドバイザー資格を取得。2000年、団塊/シニア世代の動向研究とライフスタイル提案、コンサルティング、執筆などを主要な事業とする有限会社アリアを設立。

           
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