団塊世代と農業

団塊の定年 田舎を元気にする力に

「2007年問題」が実際に始まって半年になる。1947−49年生まれの「団塊の世代」がことしから順次60歳となり、大量に定年退職していく。

 この結果、熟練技能の断絶などが心配される。一方で、この人たちを農山漁村に受け入れ、地域の活性化につなげたいという機運が高まっている。県内各地でも取り組みが盛んになってきた。

 都市は繁栄、田舎は衰退−。数字にも明白だ。例えば、2006年の都道府県間の人口移動を見ると、東京圏への流入が加速した。地方の多くは転出超過である。

 過疎地域では人口減少や高齢化が進み、今後、全国の2600もの集落で人が住まない消滅状態となる恐れが出ている。

しかし、都会の人たちが農山村を忘れ去ったわけではない。国交省の調査だと、首都圏在住の団塊世代の3割余が地方への移動を希望している。自分の出身の地方へという傾向も強い。

 移住希望者と田舎を結びつける取り組みを、さまざまに強めることが大切になっている。

 長野県は昨年から「田舎暮らし案内人」を設けた。この4月から職員を2人に増やした。情報の提供や現地の案内をする。既に22世帯の移住がまとまっている。

 県の調査だと、県内市町村の半数が都市住民の受け入れに取り組んでいる。地域活性化、地域社会の維持、定住人口の
増加が狙いだ。

 飯山市では「いいやま住んでみません課」を設けている。松本市のホームページは、団塊世代などに市内の住宅分譲や

空き店舗情報、農業研修制度などを紹介し、高いアクセス数が
ある。それぞれにアピールを強めるときだろう。

 田舎暮らしに踏み切っても、現実はばら色とは限らない。家族間の意見の食い違い、移住先に溶け込めないなどが原因で、都会に戻るケースも出ている。

 トラブルをなくすにはどうするか。ふるさと回帰の支援団体によると、受け入れ側は「誰でもいいから来て」ではなく、

地域情報や求める人物像をしっかり伝え、受け皿を整備
することが大切という。

 移住者も、移住後をしっかり見通し、段階的に進めるなどの
工夫が要る。都市と田舎の二地域居住という選択肢もある。

 農山村から都市への人口流出がこれまでの歴史だった。逆転させ、農山村の崩壊に歯止めをかけたい。団塊世代の定年退職はその好機だ。若い層も巻き込めればいい。
by「信濃毎日新聞」
http://www.shinmai.co.jp/news/20070627/KT070626ETI090004000022.htm

           
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